ここで取り上げている他のゲームと違い、この「ファイナルファンタジー」は従来のゲームの枠で語られるゲームです。元々家庭用据え置きゲーム機であるファミリーコンピューター用のゲームソフトとして販売された同シリーズは、ゲーム機の性能の向上と共にそのゲーム内容を進化させてきました。そして進化の果てに辿り着いたのが、その最新作「ファイナルファンタジーXV」です。

まるで現実のように作りこまれたゲーム世界

ゲームは、現実世界に近づくことを常に目指してきました。当初は2次元世界を視覚的に3次元世界に見せることが行われていましたが、ゲーム機の性能の進歩により2次元世界に「疑似3次元世界」を作ることができるようになりました。

これがポリゴンと呼ばれるものです。ポリゴンは例えるなら「積み木」のようなもので、これを積み重ね、現実のものに近づけて見えるようにする技術といっていいでしょう。この積み木が多ければ多いほど、現実に近づいていくのが想像できると思います。

そして現在のゲーム機は、果てしない数のポリゴンが利用できるようになり、そのゲーム世界はまるで現実のように草木がそよぎ、雲が流れるようになったのです。

従来の方法で究極まで現実に迫るゲーム

五感に直接的に現実に近い刺激を与えることで疑似現実を作る「VR」や、現実世界とリンクすることにより現実との境目を曖昧にする「AR」と違い、ファイナルファンタジーが目指したのは、モニターという閉じられた世界の中でどこまで現実に近づくか、ということです。そしてそれは最新作によってまさしく「究極」と呼ばれる域に達したのです。