君の名は。以降、新境地に達したと言われている日本のアニメーション。

この秋は新たな世界「HELLO WORLD」の扉を開ける。

日本アニメーションの次世代を担う才能をもつと謳われ、異世界のアニメ・ゲームの中のバーチャルゲームとして大人気の「ソードアート・オンライン」で知られる伊藤智彦監督の新作映画だ。

錚々たるクリエイターたちの手によるオリジナル劇場アニメ『HELLO WORLD』。

伊藤監督を中心にそれぞれのジャンルで異彩を放ち、3Dならではのダイナミックなアクションと2Dさながらのフェイシャル造形で新次元のエンタテイメント作品となること間違いなし。

HELLO WORLD

ハローワールド・近年人気の3D アニメーション

3DCGを2Dアニメのビジュアルに寄せる「セルルック」や2Dアニメの表情を3DCGで再現する「フェイシャルアニメーション」などの進化によって、2Dアニメに近い質感の3DCGのキャラが作られるようになっている。

3DCGの活用はエフェクト効果が魅力的で、素人から見ても、何より映像が綺麗。

「ヌルヌル動かせる」「作画が安定する」といったアニメーションとしてのメリット、トータルでコストパフォーマンスを高くできる経営面でのメリットがあるため、今後も増えていくと予想されている。

「今住んでいる2027年の京都の町は,仮想世界である」と十年後の自分から宣告される主人公の少年が,ヒロインに襲い来る悲劇を回避するために奔走する,というSFラブストーリーのアニメ映画作品で、あまりにも自然なアニメ的手法の映像描写,演技表現が全編を彩っていることから,本作が基本的にはフル3DCG作品であることはあまり知られていない。そんな「まるで作画アニメ作品のようなテイスト」の本作品。

「この物語はラスト1秒でひっくり返る」

hello world

タイトルにもなっている「HELLO WORLD」というのは、プログラミング言語の入門編でよく使われる、プログラムを動かすためのプログラミング言語の基本文法。

まずは”Hello World“を表示させるプログラムを書き、実際に表示できたら成功というもの。

まさしく、新しいデジタル世界を構築する最初の一歩という事を意味する。

本作でも堅書直実(主人公)と一行瑠璃(ヒロイン)の二人がアダムとイブの如く、キスをして新しい世界を祝福する。

京都に暮らす内気な男子高校生・直実(声:北村匠海)の前に、10年後の未来から来た自分を名乗る青年・ナオミ(声:松坂桃李)が突然現れる。

ナオミによれば、同級生の瑠璃(声:浜辺美波)は直実と結ばれるが、その後事故によって命を落としてしまうと言う。

「頼む、力を貸してくれ。」彼女を救う為、大人になった自分自身を「先生」と呼び、奇妙なバディが誕生する。

しかしその中で直実は、瑠璃に迫る運命、ナオミの真の目的、そしてこの現実世界に隠された大いなる秘密を知ることになる。

物語の舞台は、2027年の京都。伏見稲荷大社、上賀茂神社、出町柳の鴨川デルタなど、京都の史跡や名所が鮮麗な色彩で描かれている。

登場人物は、主人公の高校生・堅書直実(かたがきなおみ)と10年後の未来からやってきた・カタガキナオミ、そしてヒロインの一行瑠璃(いちぎょうるり)。交錯する未来と現在の世界で〈僕〉と〈俺〉と〈彼女〉と3人のキャラクターのストーリーを描き出す。

SFと物語(フィクション)への愛情に溢れた素晴らしいアニメ映画と称されるこの映画の、ラスト1秒とは一体・・?!

『ソードアート・オンライン』シリーズの監督として知られる、伊東監督

HELLO WORLD

2012年放送の1作目が大ヒットを記録し、それ以降長期にわたり続く『ソードアート・オンライン』シリーズで有名な伊藤智彦監督監督。

2017年に公開された『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』は興行収入25億円(全世界43億円)を記録し、現在はテレビアニメだけでなく映画界からも注目を集めている。

かの有名な『時をかける少女』『サマーウォーズ』でも助監督を務めた。

未来やテクノロジーへの深い造詣と確かな演出力を持ち、今最も長編アニメーションが期待される伊藤監督の最新作「HELLO WORLD」は、脚本に小説「バビロン」シリーズ、「正解するカド」の鬼才・野﨑まど、キャラクターデザインに「けいおん!」の堀口悠紀子という傑出した才能が集まり、新時代の幕開けにふさわしい“新機軸のハイスピードSF青春ラブストーリー”に仕上がった。

声優陣と主題歌

HELLO WORLD

声優陣は、北村匠海、松坂桃李、浜辺美波という今最も旬な三人が牽引する。北村匠海の内気な少年感、松坂桃李の声だけでも伝わってくるイケメンぶり、浜辺美波の美しく儚いクールさと、主要ボイスキャストもとても上手く仕上がっている。

それぞれがアニメーションファンとしても知られ、実写映画でも繊細且つ鮮烈な青春・恋愛を見せてきた彼らだからこそ描き出せるドラマ感で、作品に命を吹き込んでいる。 

音楽は2027Soundという、未だかつてない実験的なアプローチに挑戦。 まさに新世代アニメーションに相応しい音楽的アプローチが、本作に心地良くも鮮やかな彩りを加えてくれる。

「今もっともおもしろいアーティストたちによって、新しい映画音楽のかたちを創造する」というコンセプトのもと、映画「HELLO WORLD」のためだけに結成されたエクスクルーシブな実験的プロジェクト。

音楽を担当するのは、本作の為だけに結成された特別プロジェックト「2027Sound」。

メンバーには、OKAMOTO’Sをハブとして、この企画に賛同したOfficial髭男dism、Nulbarich、OBKR、Yaffle、STUTS、BRIAN SHINSEKAIといった同世代の人気ミュージシャンが集結している。

映画のシーンに合わせて書き下ろされた3曲の主題歌は、OKAMOTO’S、Official髭男dism、Nulbarichが担当。

また劇中で流れる43曲にも及ぶ劇伴も「2027Sound」によって手掛けられている。

なおオープニング曲には、ヴォーカルとしてシンガー・AAAMYYYが参加している。

OKAMOTO’Sをハブとして、企画に賛同したOfficial髭男dism、Nulbarich、OBKR(小袋成彬)、Yaffle、STUTS、BRIAN SHINSEKAIら同世代の仲間が集結。

映画のシーンに合わせて書き下ろされた3曲の主題歌は、OKAMOTO’S、Official髭男dism、Nulbarichが担当。

ジャンルを超えたバラエティ豊かな才能が融合し、化学反応を起こしながら43曲の劇伴も制作された。

さらにオープニング曲のヴォーカルには、紅一点「今」を切り取るシンガー・AAAMYYYが参加。新時代を切り拓く映画「HELLO WORLD」にふさわしいドリームチーム、それが2027Soundである。

日本のアニメーションと世界のアニメーションの違いとは

HELLO WORLD

なぜ、日本のアニメはこんなにも世界で人気なのだろうか。

それは、アニメの中の話自体の軸が違うのである。他の国のアニメは

”世界>個人”なのに比べて、日本は”世界=個人”あるいは”世界<個人”として描かれている事が多い。

不条理な問題や運命、社会の論理に振り回される個人。いうなれば『世界の中で生きる私』を描く世界のアニメーションに対して『私の生きるセカイ』を描く、いわゆる「セカイ系」と呼ばれるのが日本の作品。

特にこの映画はそれが特に強く出ているのではと思われる。

同じく話題をかっさらった『天気の子』に似た価値観を訴えていながら、異なる感動を用意しているHELLO WORLD。

セカイ系の作品としても1つのアンサーであり、『君の名は。』と『天気の子』にモヤっとした方にもオススメできる作品である。

スクリーン映えする大胆な演出や、ドラッギーにも思えるダイナミックな構図のアクションがあるこの映画を、あなたも映画館で体感してみては。